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東京都 新宿区 徳川邸- 「なるほどのォ、では聖杯とはどんな願いも叶えてくれる魔法の道具――なんとも胡散臭いが――で……」 「おぬしは戦争をしている間の儂の従者、もしくはパートナー……それも遥か昔に徳川家に使えた、かの有名な服部半蔵殿である……と」 広大な屋敷の一室、旅館の宴会場かと疑うような広さの畳部屋で、老人と忍装束を纏った男が問答を交わしていた。 老人の名は“徳川光成”、天に轟く徳川家の第十三代目当主である。 一方の忍装束は“服部半蔵”、代々徳川家に仕えてきた伊賀忍者の当主、すでに200年以上前に死んでいるはずの男だ。 常識で考えるならば決してありえはしない状況であるが、実際起きてしまっているのだから不思議なものである。 数刻前、ひょんな事から東京を離れられなくなったことを知った光成は自宅に戻り思慮を重ねていた。 強大な権力と情報網をもった光成が東京の些細な違和感から、刃牙達や自らの使命を思い出すのに時間がかからない事は明白であった。 そして現在、光成は突如現れた半蔵に対話を持ちかけられ、徳川邸の一室で事の委細を聞き出していたところである。 その際謎の忍装束を不審に思った部下を押し黙らせて、人払いをさせるのに苦労したことは想像に難くないだろう。 光成が半蔵の話をまとめたところによると、この東京は偽りのものであり、万能の願望機たる“聖杯”を求める戦争の会場であるらしい。 そして自分はその参加者に選ばれ、聖杯を得るために過去・現代・未来から呼ばれる英雄、“サーヴァント”とともに他の参加者を打ち倒していかねばならないらしい――ということだった。 ここで一旦光成は自らがまとめた情報を半蔵の正体の考察と交えて、冒頭の通りに半蔵へ確認をとった。 「概ね光成様の認識の通りに御座います。――ですがただ一つ、拙者の“服部半蔵”というこの名は代々伊賀忍軍の当主に襲名される名。 闇に生きる拙者は表に名の残らぬ存在故、光成様の連想される者とは異なる存在でありましょう」 「ふむ、クローンとはいえ宮本武蔵をこの目で見ることができて、次はかの服部半蔵をもこの目で……と思ったが、そう上手くはいかん物か」 「……光成様、拙者は闇に生きる者なれど、鍛錬により身につけたこの伊賀忍術は陽の下に出ても決して劣らぬ物だと矜持しており申す。 然らば、光成様の焦がれる“服部半蔵”をも超える忍の妙技、御覧に入れてみせましょう」 「――ならば良しッッッ」 半蔵の答は光成にとって大変満足のいくものだった。 その武力で現代まで名を馳せる強者達、その中でも忍者といえば真っ先に誰もが連想するであろう“服部半蔵”というビッグネーム。 初めこそ服部半蔵は沢山いると聞いて少し意気消沈したものの、ここにいる半蔵もその代では伊賀忍軍の当主、それに彼の者よりも高いパフォーマンスをしてくれるというだけの意欲もある。 ならば彼こそが、この徳川光成の望みを叶えるに相応しい者であるのだろう、と光成は考えた。 「半蔵殿、儂が聖杯に望む願いはもう決まっておるが、おぬしは聖杯に何を願う?」 「……拙者は徳川家の為に持ちうる限りの全ての技を以って尽くす事を庶幾といたし申す。故に光成様の従者としてこの血に召喚された刻より、この服部半蔵、願いは成就したも同然に御座います」 「それはありがたい限りじゃのォ……ならば、このワシに課せられた天命を果たしたいのじゃ。 その聖杯とやらならば、もはや世界中だけじゃない、人類史上の――戦いたくて、戦いたくて、戦いたくて、戦いたくて、たまらない奴らッ 宮本武蔵vs佐々木小次郎? 劉邦vs項羽? 同じ時代だけじゃない、アーサー王と呂布なんてのもあるかも知れんッ そういった強者を求める奴らの夢を叶える壮大な結婚相談所を作るんじゃ」 徳川光成が語る夢は本来ならばありえないこと、文字通り夢物語である。 しかし、今実際に目の前に2~300年前の人物が存在しているのだ。 歴史を学び、恋焦がれ、妄想し、現代で自分にできることならなんでもやった。 そんな夢が叶う機会があるのならば、欲しなければ嘘というものだ。 「のォ半蔵殿、この徳川光成の願い、叶えてくださらんかな?」 「委細承知。伊賀忍軍、服部半蔵! 忠君の義に従い、此度の聖杯を光成様の手に納めて御覧にいれ申す!」 「……ありがたい」 方や歴史上の猛者、方や忠君の子孫、互いに尊敬し合い、少なからず信頼も生まれている。 問答の大まかな議題を話し終え、光成はここで一服と煙管を吹かす。 「よォしッッ そうと決まれば早速他のサーヴァント達も探さねばならんッ 他のもの達も半蔵殿と同じく歴戦の猛者ならば、その戦いを見逃すわけにはいかんからのォ!」 「――では、拙者が偵察に……」 「いや、半蔵殿は出張らなくて良い。儂は徳川光成じゃ、こういう時に権力を使わんでは宝の持ち腐れというものじゃ。 儂の持てる全ての情報網でサーヴァントとそのマスターを見つけ出し、一組に3人程度ずつビデオカメラを持って待機させるのはどうじゃ? 半蔵殿は儂と茶でもシバイてごゆるりと待っておってくだされば良い」 「………………御意」 徳川光成とは目的の為なら自分の権力や、命さえも出し惜しみしない男である。 光成は半蔵を部屋に残して、自分のアイデアを部下達に知らせるためにさっさと出て行ってしまった。 諜報や偵察の任務を得意とする半蔵はなんとも出鼻を挫かれた気分になってしまった。 しかし、光成のそばで身の守りを最優先する事が大事だ、と半蔵は思い直し、そのまま霊体化して部屋から消え去った。 誰もいなくなった部屋に残ったのは、遠くから聞こえてくる光成達の喧騒だけであった。 ――余談だが、光成が聖杯戦争の話を部下たちに理解させ、任務に当たらせるのには相当苦労したようである。 【クラス】 アサシン 【真名】服部半蔵@サムライスピリッツシリーズ 【パラメーター】 筋力B+ 耐久C 敏捷A+ 魔力B 幸運C 宝具B 【属性】秩序・善 【クラススキル】 気配遮断:A+ サーヴァントとしての気配を断つ。 完全に気配を絶てば発見することは非常に難しいが、攻撃態勢に移るとランクが下がる。 アサシンの場合保有スキルによって攻撃時でもある程度隠密性を保つことができる。 【保有スキル】 心眼(真):B 修行・鍛錬によって培った洞察力。 窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、その場で残された活路を導き出す戦闘論理。 また、生前半蔵の心眼に対し正体を隠し通せたものが極一部(黒子)を除いていないことから、同ランク相当の真名看破も備えている。 忍術:A+++ 忍者が使う体術や忍法などの技術をどれだけ極めたかを表わす。 修得の難易度が高いスキルで、他のスキルと違ってAランクでようやく「修得した」と言えるレベル。 攻撃態勢時に発生する気配遮断のランク低下を抑えることができる。 武器破壊:B 忍術によって対象の武器を破壊する。生前の戦闘時に相手の武器を大量に破壊・弾き飛ばしたことに由来する。 対象が人間の持ち物やをサーヴァントの持つ無銘な武器であれば確実に破壊できる。 しかし宝具または相手サーヴァントに由来する重要な武器であれば、ほとんどは破壊できるが場合によっては弾き飛ばすのみになってしまう。 後述する怒り爆発状態だと成功率が高まる。 【宝具】 『精神一到』 ランク:C 種別:対人(自身)宝具 レンジ:0 最大補足:1人 自身の感情を操作することで有利な立ち回りをする事ができる。また、精神系の干渉に強い耐性を得る。 また、ある状況下において2通りの特殊な状態になることができる。 『無の境地』 死が迫っている状況や体力が低下している状況において、精神集中によって無の境地に至る。 一定時間思考能力や身体能力が通常の4倍に増幅し、相手がスローモーションになったかのように感じ取ることができる。 この状態の時、更に加速して相手に知覚されずに切り裂く”一閃”を使用できる。 ”一閃”において加速するスピードと威力は、発動時点における無の境地の残り時間に比例する。 『怒り爆発』 相手の攻撃や精神集中で怒りを爆発させ、肌に赤みが増して一時的に興奮状態となる。 怒りとともに周囲に爆風が起こり、攻撃力の上昇や技の複雑化等の効果を得る。 また、この爆風が起こっている間はすべての攻撃を完全に無効化する事ができる。 アサシンはその性格から怒るのに時間が掛かるが、一度怒ると冷めにくい。 『禁忌 ”モズ砕き”』 ランク:D~B 種別:対人宝具 レンジ:1 最大補足:1人 相手の腕や肋などの骨を砕いた後、頭から地面に落として頭蓋骨を粉砕し絶命させる奥義。 条件が一つ揃うごとに威力が跳ね上がっていき、3つ全て揃えると相手がいかなる状態であろうと問答無用で死に至らしめる。 3つの条件とは、「相手の体力が精神力を下回っていること」「自身が怒り爆発状態であること」「自分が武器を持っていること」である。 これを全て揃った状態で使用するとアサシンの言霊通りに相手の骨を砕き腕は裂け、最終的に身体が砕けて魂が消滅する。 条件が揃っていない場合は単純なダメージを与えるのみだが、条件が一つ揃うごとに威力が跳ね上がっていく。 【weapon】 忍者刀:無銘の一般的な忍者刀。武器が破壊される事が常であったため、効果なものは持たない。 忍具:手裏剣や火薬等の忍術に使う道具。 【人物背景】 徳川幕府に仕える伊賀忍軍の所属。幕府の要人から受けた密命を忠実にこなす。 その正体は謎に包まれているが、忍としての腕は凄まじく、歴代の伊賀忍者の中でも五指に入る実力者と言われている。 ”半蔵”の名前は代々服部家の長男が襲名するが、今回のアサシンは息子に”真蔵・勘蔵”を持つ歴代最強の半蔵と謳われた男である。 常に身に着けている真っ赤なマフラーは忍びに適していない様に思われるが、師匠から貰ったものであるので外すことはない。 【サーヴァントとしての願い】 徳川に使える事のみ。 【マスター】徳川光成@グラップラー刃牙シリーズ 【マスターとしての願い】 全ての強者(英霊)達の戦いを観たいッッ 彼らに思う存分闘争わせてやりたいッッッ 【weapon】なし 【能力・技能】 世界トップクラスの財力を誇る日本最後の大物、無邪気で闊達としていながら人間的に熟達している。 その権力から日本では彼に不可能は殆ど無く、実の姉や範馬勇次郎以外は彼に頭が上がらない。 どんな強者を前にしても畏れない胆力を持っており、肉体的には貧弱だが武術格技を見つめ続けた洞察力は本部以蔵をも唸らせる程。 【人物背景】 徳川家十三代目当主。日本有数の富豪であり、政治の場ではフィクサー(黒幕)としての高い権力を見せる。 現役の総理大臣さえも畏まり恐縮するほどだが、自身を結婚相談所の職員だとしており、強者同士を引き合わせて戦いの場を提供することが自分の使命だと財産はおろか自分の命すらも惜しまない。 強者達の戦いへの熱の入れようは凄まじく、範馬勇次郎と範馬刃牙の親子喧嘩を見た際は重度の癌によって蝕まれていた体が病巣一つ無い健康体になっていた程である。スゴイね人体 【方針】 その膨大な情報網からマスターやサーヴァントを探しだして監視・記録する。 戦闘は極力行わない。 候補作投下順 Back 南条光&ライダー Next エレン・イェーガー&バーサーカー
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「ユウキちゃん、お菓子作ったから、一緒に食べよ!」 「うん、食べる! 舞衣の作るお菓子は美味しいから、ボク、好きなんだ!」 「ありがとう!」 とある神社で二人の少女が月を見ながらお菓子を食べていた。 一人は黒髪で、リボンで髪を結んでおり。 御刀を持った少女。彼女の名前は柳瀬舞衣。 元の世界では荒魂と呼ばれる存在から御刀で人々を守る刀使と呼ばれる存在である。 彼女はこの聖杯戦争の参加者である。 もう一人は耳が尖っており、頭には赤のバンダナを巻いている、長い黒髪の少女。 名前ユウキ。舞衣が召喚したアサシンのサーヴァントである。 二人は月を見ながら仲良くお菓子を食べている。そして、二人の話の話題は願いについての話になった。 「舞衣には本当に叶えたい願いはないの?」 「うん、わたしには叶えたい願いはないよ。それに誰かを犠牲して自分の願いを叶えるのは間違ってると思うから、わたしはこの戦いを止めたい。」 「うん、わかった! ボクは舞衣の力になるよ!」 「ありがとう! だけど、ユウキちゃんには叶えたい願いはないの?」 今度は舞衣がユウキに願いについて聞くのであった。 「ない⋯⋯かなぁ。それにボクも誰かを犠牲にして自分の願いを叶えるのは間違ってると思うから。」 「生き返りたいとは思わない? 聖杯があれば生き返ることも可能なんでしょう?」 舞衣はユウキが15歳という若さで死亡したことを知っているため、本当はもう一度生き返りたいと願っているのではないかと心配していた。 「心配しなくても大丈夫だよ! ボクは確かに長くは生きられなかったけど、自分の人生を頑張って生きたから、後悔はないよ!それにこうして舞衣と一緒にお菓子を食べられるだけでボクは満足だよ! ボクのことは気にしなくても大丈夫だよ! 」 ユウキは笑顔で舞衣にそう言うのである。 「うん、ありがとう! ユウキちゃん!」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 【サーヴァント】 【クラス】 アサシン 【真名】 ユウキ『紺野木綿季』 【出典】 ソードアート・オンライン 【性別】 女性 【ステータス】 筋力B 耐久B 敏捷A 魔力B 幸運C 宝具A 【属性】 中立・善 【クラス別能力】 気配切断:B アサシンのクラススキル。 サーヴァントとしての気配を断つ。隠密行動に適している。自らが攻撃態勢に移ると気配切断のランクは落ちる。 【保有スキル】 カリスマ:B 軍団を指揮する天性の才能。団体戦闘において自軍の能力を向上させる。 ギルド「スリーピング・ナイツ」のリーダーとしてギルドの中心にいた彼女の逸話が昇格したスキル。 魔力放出:B 魔力で作り上げた翼で飛ぶ力。 これにより空中戦が可能になっている。 本来彼女が持つ能力がスキルに昇格したものである。 戦闘続行:B 自分の人生を最後まで全力で生きた彼女の逸話が昇格したスキル。 【宝具】 『マーザズ・ロザリオ』 ランク:A 種別:対人宝具 レンジ1~10 最大補足1人 自らからが編み出した11連撃OSS「彼女のオリジナルソードスキルである。」 絶剣と呼ばれた彼女の必殺技であり、 親友に託した技でもある。 【人物背景】 『ソードアート・オンライン』の『マザーズ・ロザリオ編』の登場人物。 本名は『紺野木綿季』。 ユウキという名前は彼女が『アルヴヘイム・オンライン』と呼ばれる仮想空間ゲームで名乗っていた名前。ちなみに『アルヴヘイム・オンライン』は略称『ALO』とも呼ばれている。 『ALO』の世界では『絶剣』と呼ばれ圧倒的な強さを誇るプレイヤー。主人公のキリトを2度倒した唯一の人物「キリト本人は切り札の二剣流を使っていなかったが、それでもキリトを2度倒したのは彼女だけである。」 ギルド『スリーピング・ナイツ』のリーダーも務めている。『ALO』の世界ではインプ族であり、今回の聖杯戦争では『ALO』の姿で召喚されている。 自身が作ったOSSを賭けて辻デュエルをしていた際、キリトを倒したことに興味を持って 対戦を挑んできたメインヒロインであるアスナと出会う。アスナの強さを見込んでギルド1パーティのみによる新生アインクラッドの攻略するという無謀なチャレンジへの協力をアスナに依頼する。 実は現実の彼女は末期『HIS』患者であり アスナと出会った時には彼女は長くは生きるのは難しいと言われていた。彼女の姉も同じ病気で亡くなっており、本来のギルドのリーダーも彼女の姉だったが、亡くなったことによりリーダーの座を受け継いだのである。 彼女のギルドのメンバーはそれぞれが難病を抱えており、最後の思い出作りのために新生アインクラッドの攻略に挑んたのであった。 ただボス攻略の後、アスナを自分の亡き姉と面影を重ねて見てることに気付きアスナの前から姿を消してしまう。 その後、病院を訪ねてきたアスナと再会。 それから『ALO』に戻り、アスナの仲間たちと交流あり、絆を深めていく。 それから容体が急変。 最後にアスナに『マーザズ・ロザリオ』を託し、たくさんの仲間やプレイヤーたちに見守られながらアスナの腕の中で静に息を引き取った。彼女は15年の人生を全力で生きたであった。 性格は明るく、陽気な人物。 純粋で前向きな人物でもある。 【サーヴァントとしての願い】 特にない。マスターを最後まで守る。 ただマスターと一緒にこの世界での生活を楽しみたいとも思っている。 【方針】 マスターに任せる。 【把握媒体】 原作小説及び、アニメ2期 【マスター】 柳瀬舞衣 【出典】 刀使ノ巫女 【性別】 女性 【能力・技能】 『写し』 刀使の基本戦術で、最大の防御術。 『迅移』 刀使の攻撃戦術の一つ。通常の時間から逸して加速する。 『八幡力』 筋力を強化させる。 『孫六兼元』 舞衣が使う御刀である。 【人物背景】 刀使ノ巫女の登場人物。主人公衛藤可奈美の親友。美濃関学院所属の中等部二年生。 大企業の令嬢であり、三姉妹の長女である。 性格は面倒見がよく、友達想いの優しい性格。お菓子作りが得意。 状況分析能力にたけており、集団行動では指揮官として活躍もしている。 参戦時期はアニメ終了後である。 【マスターとしての願い】 特になし。この戦いを止める。 【方針】 自分と同じ考えのマスターと協力する。 ただ人は絶対に殺さないし、殺させない。 【ロール】 とある神社の巫女で刀使。 【把握媒体】 アニメ
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【アサシンの武具・カード売買のページです】 売)デッドリーダンシング×3、ソニックブレード、アポカリプス×4、シャドースタブ×2、シャドークラッシュ×3、シャドーウンド×2、フェイタルウェーブ、クリムゾンターピュランス、サドンラッシュ、ディストレーションオブレイジ×5、クロークオブシャドー、ソニッククロス×2 値段は相談して決めましょう -- D・Lion (2009-03-29 01 09 26) 売) アポカリプスC、ディストレーションオブレイジCx2、サドンラッシュC, -- グロ (2009-03-29 13 00 48) 売)クロークオブシャドーC あります。 -- グロ (2009-03-29 13 01 36) 売)サドンラッシュ、クロークオブシャドー -- ルティ (2009-04-16 07 54 21) 名前 コメント
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「さて、こんな所か」 男は安物のノートパソコンに自身が打ち込んだ文章の推敲を一頻り終えて、疲れ混じりの溜息を吐き出し全体重を椅子の背凭れに委ねた。長い時間キーを叩き続けた指の根元の部分は全てじんじんと言う痛みを発しており、言葉はなくとも男に休息を要求しているのが一発で解る。無論、彼にも休む事に異存はない。何しろ文章を執筆する事で生計を立てている身なのだ、もし腱鞘炎に等なろう物ならそれだけで飯を食いっぱぐれてしまう。 またそれ以前に今回の分の仕事は今打ち込んだ分で全てだった。普通文を書く仕事と言えば、決まった事を只書き写して終わりではなく、見やすさやレイアウト、読み手がストレスなく読解出来るか等にも気を配る必要がある。だが、あくまで現地の報告と記録を行うのが役目の彼には、そういう方向に気を配る事は要求されない。重要なのは可能な限り客観的に、詳細に、生々しくレポートする事。それさえ貫けていれば、然程記事を通すのに苦労はしないのだ。 後は念の為、明日の提出前にでももう一度見直しと微修正を加えてやれば完璧だろう。作業のお供にちびちび啜っていたエナジードリンクの余りを一気に飲み干して、男は厄介な仕事を終わらせた達成感に浸り、一人笑みを浮かべる。そのデスクの隅には、日焼けした写真立てが置かれていた。写真の中には彼と淑やかそうな美女、そして無邪気な笑みを浮かべる二人の幼い少女の姿があった。仲睦まじい親子のように見える写真の中の女三人と彼は、然し赤の他人だ。 「……元気にやってるかな、葵さん達は」 男は日本各地を飛び回り、様々な事件や事故の報告、レポートを執筆して生計を立てているフリーのルポライターだ。名前を、間桐雁夜。今でこそ平々凡々とした暮らしを送る何処にでも居そうな青年だが、"間桐"と言う苗字を耳にしたなら、一部の人間は驚きの表情を浮かべる筈だ。表の世界では少し変わった苗字程度の扱いでも、裏――"魔術師"の世界では、"間桐(マキリ)"の名は大きな意味を持つ。 遠坂、マキリ、アインツベルン。始まりの御三家と総称される魔道の名門、その一角。雁夜は実質の現当主、臓硯の次男坊であった。尤も息子と言うのはあくまで表向きの話であるのだが、其処の深い事情については此処では割愛する。彼と言う人間の事情を理解する上では、彼が嘗て間桐の家の人間だった、それだけで十分だ。 されど、今となっては雁夜と間桐家の間に繋がりは皆無だ。彼が不出来で父に見捨てられた訳ではない。寧ろ真実は逆、彼の方が間桐と言う家の魔術を嫌い、臓硯の下を出奔したのである。それが、今から十一年前の事。かの日から今日に至るまで、雁夜は一度として自分の実家に戻った試しはない。 が、冬木にはこうして定期的に戻って来ている。その度に彼が土産片手に顔を見せているのが、写真の三人だった。 禅定改め、遠坂葵。そしてその娘の凛と桜。 葵と雁夜は古くからの付き合い、言ってしまえば幼馴染の間柄に有った。雁夜はずっと葵に異性として想いを寄せていたが、彼女が他の男の手に渡ってしまっても、それを逆恨みするような真似はしなかった。彼女が幸せならば、その隣に居る人間は自分でなくても構わない。彼女の為を思えば、身を引く事に躊躇いはなかった。 “そう言えば、もう三ヶ月は逢ってないか――” ルポライターと言う職業柄、一つの場所に留まっていられる時間は長くない。必然的に彼女達母娘と会える機会は一ヶ月に一度有るかどうかだ。それでも、葵は雁夜をいつも暖かく迎えてくれた。桜や凛は彼が姿を見せると駆け寄ってきて、子供らしい笑顔できゃあきゃあとはしゃぐ姿を見せてくれる。 所詮は他人、そんな事は誰よりも雁夜自身が強く理解している。手が届く事はもう絶対に有り得ないと解っていながら、潔く彼女達の前から姿を消さず、定期的に会いに行っているのは只の未練だ。そう解っていても、雁夜とて人間だ。日々の傍らにあの母娘の笑顔を見る事は、彼にとって何より大きな楽しみだった。 「仕事とはいえ、久々に戻ってきたんだ。明日は桜ちゃん達の顔でも見てくるか」 時に――雁夜は今、出張を終えて故郷の街に戻ってきている訳ではない。たまたまこの冬木市での仕事が舞い込み、それを遂行する為に帰郷していた。その仕事と言うのが、先程まで彼が作成していた文書だ。雁夜は全く知らなかったが、近頃の冬木は随分と物騒な街に変貌してしまっているようだった。 原因不明の爆発事故、失踪事件。路傍で見付かった死体の数は今月だけで既に五体になる。東京のような大都心ならいざ知らず、こんな辺鄙な地方都市でこの数字は明らかに異様だ。其処でこの異変に目を付けた某出版社が、冬木出身のフリーライターである雁夜の下に依頼を持ち込み、雁夜はそれを引き受けた。それが、彼の今日までの経緯である。 素人目から見ても、今の冬木は不気味の一言に尽きた。空気が違う。雰囲気が違う。街のそこかしこから、何やら異様なものを感じる。これだけならまだ他人事で済むが、此処には葵やその娘達も暮らしているのだ。彼女達の無事を確認する為にも、雁夜は明日、あの愛らしい母娘に会いに行こうと決めた。 そうと決まればお土産を見繕っていかねばならない。幼い凛達は、自分のお土産を毎回楽しみにしてくれている。 お菓子が良いか、小物が良いか。どうしたものかと嬉しい悩みに口許を緩めたその時―― 「……ッ」 雁夜の頭に、まるで亀裂が走ったみたいな鋭く厭な痛みが走った。 「が、ぅ、ッ……!?」 何か目立った病気をした記憶はない。雁夜を今襲っているのは、正しく原因不明の痛みだった。その激しさたるや脳味噌をフォークでズタズタに引き裂かれているようなそれであり、雁夜は堪らず体勢を崩して椅子から転げ落ちてしまう。藁をも掴む思いで伸ばした手が、デスクの上の写真立てを弾き飛ばし床へと落とした。 地を這うような格好になりながら悶絶する彼の視界に、写真の中の愛すべき笑顔達が写る。どんな時でも彼の疲れを忘れさせてきた日溜まりの一シーンは然し、この時ばかりは間桐雁夜を支えてはくれなかった。寧ろ、その逆。写真を見た途端、彼を苛む頭痛の激しさは倍程にも膨れ上がった。 古今東西あらゆる病気の中でも最大級の痛みを齎すと言う群発頭痛もかくやの勢いで、激痛は雁夜を苦しめる。痛みで失神する事すら出来ず、気を抜けば舌を噛み千切りたい程の衝動に駆られる生き地獄。その中で再び視界に入る、写真。それをきっかけにまた強まる痛みの中、雁夜の脳裏に声が響いた。 ――――違う それは他でもない、間桐雁夜の声。これまでの人生で散々耳にしてきた、自分自身の声。 何が違うんだと自問する前に、視界が灰色に染まってテレビの砂嵐を思わせるノイズに覆われる。 そして、途切れ途切れに挿入される見た事のない映像、風景。可能なら一生見たくなかったと断言出来るような光景が、意識を沸騰させる激痛の中に次々流れていく。 見るからに窶れた想い人の顔。疲れ切った声。 人形のような空洞の表情で何かを言う凛。快活な彼女らしからぬ、硬く虚ろな眼差し。 そして暗い――昏い、もう二度と見る事はないと思っていた"蔵"の中、無数の淫蟲に群がられている、桜。 間桐雁夜と言う男が、嘗て守りたいと願った日溜まりの欠片が、他ならぬ彼の生家の手によって穢され、踏み躙られている光景。それを目にした途端、雁夜は全てを思い出した。記憶の復活と同時に込み上げてくる感情は、自分自身への絶大な憎悪。何故、何故俺は忘れていたのか。全て忘れ去って、白痴のように張りぼての日常を謳歌する無様を冒していたのか。俺がこうしている間にも彼女の心は壊され続けていると言うのに、一体俺は何をしている? 衝動に身を任せて、雁夜は自分の顔面に爪を立てる。ぎぎ、と裂けていく皮膚は正常な人間のそれでは考えられない程脆く、萎びていた。先刻までは確かに健康な成人男性の姿を保っていた筈の雁夜の全身は今や、彼自身でさえ気付かない内に二目と見られない有様へと変化を遂げていた。――否、あるべき姿へと戻っていた。 頭髪は一本残らず白髪に変わり、肌には至る所に醜い瘢痕が浮かび上がっている。それ以外の場所はすっかり血の気を失って土気色を湛え、宛ら幽鬼か何かのようだ。肉体にとっては最早毒素でしかない魔力の循環する静脈は破裂しそうな程膨張して、全身に赤黒い罅割れが走っている風にも見える。 見えない部分もずたずただ。特に左半身は酷い物で、いちいち手足を動かして確認しなくても麻痺しているのが解る程である。喉の粘膜も凄まじいまでに破壊され、固形物は金輪際喉を通りそうにない。一言、これで生きていられる事自体が異常。現に雁夜は今、その体内に巣食うある忌まわしい生物に援助され、どうにか生きていられる状態だ。この死に行く病人にしか見えない醜い姿こそが、間桐雁夜と言う人間の真実に他ならない。 「済まない――桜ちゃん、葵さん。でも、俺……漸く、全部思い出したよ」 自分が辿ってきた道。救うと決めた少女。そして、殺すと決めた外道。 全てを思い出す代償は決して安くなかった。聖杯によりこの世界の住人として溶け込めるよう施されていた身体機能の再生は記憶の復活と同時に解除され、今や雁夜は元の死に体同然の襤褸雑巾に逆戻りしている。されど、嘗て抱いた想いも末期の身体を動かす原動力も、これでやっと取り戻せた。 ――思い出す。自分が歩んできたこれまでの道。間桐臓硯の手に落ちた遠坂桜を救う為に、自分は十年以上も離れていた間桐の家に戻り、刻印虫を自らに寄生させて魔術回路を擬似的に拡張した。まさしく地獄と呼ぶべき苦痛と肉体が崩壊していく恐怖を耐え抜いた甲斐あって、魔術師として戦闘が行えるまでの領域に登り詰める事が出来た。 ――思い出す。変わり果てた、桜の姿を。実の父親に見捨てられ、非道の調教を受け続けていた彼女。一年と少しの時間を経て、彼女はすっかり変わってしまった。その人形のように無機質な昏い眼差しは、今目の前にある写真の中の彼女とは似ても似つかない悲愴さに満ちていた。 ――思い出す。自分が何を置いても殺し、報いを受けさせるべき外道の名を。その名は、遠坂時臣。葵の伴侶にして、凛と桜の父親である男。そんな立場に居ながら、自分の娘を進んで地獄に突き落とした、殺しても殺し足りない全ての元凶。あれが今ものうのうと息をしていると考えるだけで、雁夜は頭の血管が千切れそうになる。 そして、思い出す。自分が今此処に居る理由。これは、雁夜が参加していた物とはまた別種の聖杯戦争だと言う事を。 文句の付けようがない強さを誇る代わりに、爆発的な消耗で自分の余力を貪っていったバーサーカーの姿は此処にはない。だが、雁夜は理解していた。自分がこうして記憶を無事取り戻せたと言う事は、つまり"この"冬木の聖杯戦争に参加する権利を得た事に等しいのだ。 バーサーカーの強力無比な力が借りられないのは痛いが、考えようによっては令呪で戦いを中断させなければ自滅するような瀬戸際の戦いを強いられる事が無くなるとも取れる。サーヴァントが呼べないかもしれないとは、雁夜は毛頭思っていなかった。何故なら、自分はこうして聖杯に選ばれ、その試練を越えたのだから。自分を勝利に導いてくれる英霊は、直にその姿を見せるだろうと踏んでいた。 それでも――間桐雁夜には時間がない。舞台が変わり、手駒も変わるとはいえ、常時満身創痍の彼にしてみれば寿命が僅かに伸びたくらいの違いでしかないのだ。一刻も早く勝ち、聖杯に願わなければ。桜を救い、葵と凛に笑顔を取り戻し、憎き時臣を二度と母娘の前に現れられないように断罪しなければ、自分のこれまでは全て無駄になる。そうなっては、死んでも死にきれない。 「……来い」 雁夜は、未だ現れない自分のサーヴァントへと命ずる。今すぐにその姿を現せ、と。 それに呼応するように、無味乾燥とした室内を照らす白熱灯が、停電の前兆のように点滅を始めた。 最初は明かりが消えている時間の方が短かったのが、どんどん暗闇の時間が長くなっていく。バーサーカーを呼び出した時に比べれば肉体に掛かっている負担は微々たる物だが、それでも体内の疑似魔術回路に負荷が掛かっているのが解った。雁夜は、確信する。サーヴァントの召喚は、既に成っていると。 やがて明かりが完全に消え、部屋を照らすのは窓越しに差し込む月の光のみとなった。現代に生きる人間にしてみれば余りにも心許ない自然の明かり。その中で、間桐雁夜は霧のように虚空から姿を現した、一人の女を見た。月明かりに照らし出されたその女の顔は――激痛も忘れて息を呑む程、美しかった。 「――なんだ。辛気臭い部屋だな」 烏の濡羽めいた美しい漆黒の髪。肌は絹のようにきめ細やかで、染みや出来物の一つも見られない。 東洋出身の英霊なのか、衣服は青みがかった着物を纏っている。……のだが、その上から赤いジャンパーを羽織ってもおり、服装はなかなかどうして奇矯なそれであった。凡そまともな美意識を持つ人間ならば、誰もが美人と認識する。雁夜の召喚した彼女は、それ程までに整った容姿を持つ英霊だった。 「それで? おまえかよ、オレを呼んだ奇特なヤツは」 「……オマエ、が……」 「一々説明する必要有るか? ……まあ良いや。サーヴァントだよ、おまえの。クラスはアサシンだ」 アサシン――暗殺者か。雁夜は内心、外れを引いたなと思ったが、此処でそれを表情や態度に出す程彼は阿呆ではない。前の理性なき狂戦士ならばまだしも、今回の英霊はちゃんとした自我と理性を持っている。彼女の癇に障って瞬時にお陀仏なんて事態に陥れば、笑い話にもなりはしない。 それに、正面戦闘で劣るからと言って使えないと看做すのはそれこそ早合点が過ぎると言う物だろう。極論、聖杯戦争なんて物は敵を殺せればそれで良いのだ。今更手段の卑劣さどうこうについて躊躇いを抱ける程、雁夜に余裕らしい物は残されていなかった。 楽観も悲観も不要だ。大事なのは、サーヴァントを召喚出来たと言う事実のみ。聖杯戦争を戦い抜くに当たって、英霊の存在は言わずもがな大前提である。近代兵器や急ごしらえの魔術師の浅知恵でどうこう出来る程、サーヴァントと人間の間の戦力差は小さくない。後は彼女を使役し、戦うだけだ。全てのサーヴァントを斃し、黄金の塔とやらが出現する条件を満たすだけだ。先を見据え、決意を一層強める雁夜に対し、呼び出された暗殺者は気怠げな声を掛けた。 「ところで、おまえはどうする気なんだ」 その質問に、雁夜は思わず眉を顰める。 どうするか等、決まっている。聖杯戦争は願いを争奪する戦いだ。ならば、他の主従を蹴落とす以外に一体何が有ると言うのか。微かな苛立ちを押し殺しながら、雁夜は身体を部屋の壁に凭れさせ、喘鳴混じりの返事を発する。 「殺す。……全員だ。そして、聖杯を獲る」 誰であろうと、敵は敵だ。今回の聖杯戦争の性質上、ほぼ事故のような形で巻き込まれた者も居るかもしれない。その事は、雁夜とて承知の上。それでも、最早形振り構っていられる状況ではないのだ。この聖杯戦争が駄目だったから元の世界に帰って再びあの聖杯戦争を続行する、なんて日和った姿勢は通らない。勝てなければ、永遠に桜が救われる事はない。だからこそ雁夜は、立ち塞ぐ全ての敵を鏖殺する事に毛程の躊躇いもなかった。 鬼気迫ってさえいる雁夜の言葉に、返ってきたのは同意でも反発でもなく――溜息。心底呆れたような、雁夜の正気を疑っているかのような嘆息の音だった。 「聖杯ね。……あのさ、おまえ。本気で願いが叶うなんて与太話を信じてるのか?」 「……何、だと?」 その言葉は、凡そサーヴァントが口にするようなそれではなかった。 何せ、彼女が今口にしたのは聖杯を信用していないと言う旨だ。普通、サーヴァントは聖杯に託したい願いを抱えて召喚される物と雁夜は聞いている。中には願いを持たない例外も居るのかもしれないが、そもそも聖杯の権能自体を疑っているサーヴァント等、異例どころの騒ぎではないだろう。 「潰し合った末に最後まで残った二組にはどんな願いでも叶えて差し上げますよーって、其処らのセールス販売の方がまだ幾らか信用出来る文句使うぜ。百歩譲って聖杯のチカラとやらが本物だったとしても、今回の――」 「黙れ……ッ! お前は、俺のサーヴァントだろうが! なら意見なんかせず、俺を勝たせる為だけに戦えッ!!」 アサシンの台詞を遮って、雁夜が口角泡を飛ばして怒鳴り声をあげた。只でさえ瀕死の病人もかくやと言った顔は、怒りで血管が普段以上に浮き出て怨霊か何かとしか思えない有様と化している。大声を出しただけで心臓の鼓動が短距離走でもした後のように早まっている自身の肉体の朽ち果てぶりに嫌気を覚えながら、雁夜はアサシンの言葉に惑わされるなと自身を諭す。己には聖杯しかないのだから、それを疑えば全てが終わってしまう。 そんな雁夜の様子に肩を竦めれば、好きにしろよ、とだけ言い残してアサシンはあっさりと踵を返した。待て、とその背中を引き止めようとするが、もう遅い。声が部屋の壁で反響する頃には、彼女の美しい姿はもう何処にも見えず、霊体化が完了した事を不気味な程の静寂が暗に告げていた。 “そうだ……俺は、勝つ。勝って何もかも、全部終わらせるんだ” 桜が、これ以上苦しまなくて良いように。 葵や凛が、また桜と一緒に笑えるように。 彼女達を不幸の底に突き落とした遠坂時臣が、桜の味わった何倍もの苦しみの中で報いを受けるように。 間桐雁夜には聖杯が必要だった。間桐臓硯の奸計も及ばないこの地でそれを掴み、運命を変えなければならなかった。 そんな彼の脳裏には――いつまでも、アサシンが最後に言い掛けた"何か"の事が引っ掛かっていた。 あの時、彼女は何かを言おうとしていた。それが解ったから、雁夜は自分の耳に入れない為に大声をあげて遮ったのだ。きっとその言葉を聞いてしまったなら、自分の中の何かが揺らいでしまうと言う確信が有った。だから雁夜は、迷わない為に彼女の親切心から目を背けた。全ては、聖杯を手にする為に。魔術師なんて生き物のせいで狂ってしまった何もかもを元通りの形に直す為に。 憐れな落伍者は、約束された破滅の道を突き進む。振り返る事なく、突き進む―― ◆ ◆ 「やれやれ。面倒な男に召喚されちまったもんだな、オレも」 アサシンのサーヴァントとして召喚された和服に赤ジャンパーの彼女は、雁夜の自室を出て冬木の夜風に当たっていた。空には月こそ出ているものの不吉な分厚い雲が所々立ち込めていて、風も良からぬ物が滲んでお世辞にも居心地は良くない。聖杯戦争になんて呼ばれるもんじゃないと、既にアサシンは心からそう思っていた。 間桐雁夜は知らない事だが、本来、この彼女は聖杯戦争に呼ばれる存在ではない。英霊の座に登録された英雄等ではなく、サーヴァントとしての在り方も擬似サーヴァントのそれに近い変わり種だ。言ってしまえば彼女の存在は、此度の聖杯戦争が正規の聖杯戦争とは一線を画した異常なモノで有ると言う事の証左である。 アサシンが先程雁夜に言った内容は、違わず彼女の本心だ。願いを叶える聖杯だなんて、これ以上胡散臭い響きもそうそう無いと心の底からそう思っている。……とはいえ、現実にこれ程の規模の戦いが行われようとしているのだ。売り文句通りの代物かどうかは置いておくとしても、聖杯なる存在に途方もない力が有る事はほぼほぼ間違いないだろう。やはり疑わしい話では有るが、ひょっとすると、本当に聖杯は願いを叶える万能の願望器として勝者の手元に渡る算段となっているのかもしれない。だがそれでも、アサシンはこの聖杯戦争に対して懐疑的だった。 「……どうも、厭な臭いがする。あの死に体には酷だが、こりゃ確実に裏に何か有るぞ」 そも、聖杯戦争と言う機構そのものが何より疑わしい。この偽りの冬木市からは、不穏な陰謀の香りがする。 何者かの悪意ある計略が根付いていると、アサシンの本能と長年の経験がそう告げていた。なればこそ、聖杯戦争なんて面倒な催しには混ざらず、早急に事態を終息させて帰る方向で戦おうと思っていたのだが――然しマスターが悪い。あの場で少し話しただけでも解った。彼は、どんなに粘り強く話しても絶対に聞かないだろう。勝利へ懸ける情熱が妄執だとか狂気だとか、そう言う次元に達してしまっている。あれは碌な終わりを迎えないなと、アサシンはそう思った。 「ま、サーヴァントとして呼ばれたんだ。期待には応えてやるよ」 戦えと望むのなら、是非もない。サーヴァントとしての役目を果たして、さっさとこのけったいな場所を後にするとしよう。もしも裏で糸を引く何者かの存在を突き止められたなら、その時はその時だ。深く考えた所で、こんなイレギュラーだらけの状況ではプランなんてまるで当てにならないのだから無意味と言う物である。 アサシンの眼にはこの世界でも変わることなく、物体に走る朱い線が映っていた。それは、死の線だ。可視化された死。嘗てアサシンが死の淵で開眼した、最上級の魔眼による視界。――彼女の両眼窩に収まった魔眼の名を、直死と言った。真っ当な精神構造では発狂しても可笑しくない終末の世界を常に覗き込みながら、この少女はこれまで生きてきた。 彼女の真名を、両儀式。万物に共通する終わりを司る、「 」への可能性を秘めたる魔眼の烏―― 【クラス】 アサシン 【真名】 両儀式@空の境界 【ステータス】 筋力E 耐久D 敏捷A 魔力C 幸運A+ 宝具EX 【属性】 混沌・善 【クラススキル】 気配遮断:C サーヴァントとしての気配を断つ。隠密行動に適している。 単独行動 A マスターからの魔力供給を断っても暫くの間は自立出来る能力。 もしかしたらマスターとか居なくても何とかなるのでは? と思わせる程の単独行動っぷり。 然し、魔力が足りていようといなかろうと、寂しくなったら消えるのでマスターは必要らしい。 【保有スキル】 直死の魔眼:A 魔眼と呼称される異能の中でも最上級の物。 異能の中の異能、希少品の中の希少品。無機・有機問わず、"生きている"物の死の要因を読み取り、干渉可能な現象として視認する。直死の魔眼から見た世界は"死の線"で満ちた終末の風景であり、真っ当な精神構造ではこれと向き合っての日常生活は難しい。 アサシンは普段、焦点をズラして物事を俯瞰する事でこの異様な視界と折り合いを付けている。 陰陽魚:B 陰陽螺旋。痛覚残留。 ――是を生かしたくば即ち是を殺し、是を叶えたくば即ち是を損なう。 恩恵と損失は表裏一体。宛ら男女の関係のように。 心眼(偽):A 第六感による危険回避。 技術と研鑽を用いて避けるのではなく、天性の才能による危険予知回避。 【宝具】 『唯識・直死の魔眼』 ランク:EX 種別:対人宝具 レンジ:1 最大補足:1 直死の魔眼を最大限に解放し、死の線を両断する。 その個体における死の概念を切断するので数百の命のストック、数億の寿命をも無効化する。 死は決して避けられない現象、終わりは万物に共通する。 『■■■■』 ランク:EX 種別:対?宝具 レンジ:1 最大補足:1 陰陽ならぬ両儀。 其れは「 」から生じ、「 」を辿る者。 両儀に別れ、四象と廻し、八卦を束ね、世界の理を敷き詰める者。 この宝具は普段封鎖されている。アサシンがこれの存在を知覚する事も、ない。 【weapon】 基本的にはナイフ。 然し本来得手とするのは日本刀による剣術で、日本刀で戦う場合、自己暗示によって自身の身体を戦闘用に作り変え限定的ながらも超人じみた身体活用や未来予知等の潜在能力が扱えるようになる為、平常時とは段違いの戦闘力を発揮する。 【人物背景】 対丈に単衣の着物の上に革のジャンパーを羽織った少女。 一見して冷たく、排他的。男口調かつ男性のように振る舞うが、根はどうしようもなく女性的。 サーヴァントとしては極めてイレギュラーな存在で、ざっくり言ってしまえば疑似サーヴァントとして現界している。 元々の彼女はサーヴァントに及ばず、ある条件を満たした状態でやっと戦闘になると称されていたが、現在は疑似とはいえサーヴァントとして現界している事から素でサーヴァント達と互角に立ち回る事が出来る。 本来彼女が召喚に応じた場合、もう一つ別な存在が呼び出される事になるのだが――…… 【サーヴァントとしての願い】 願いを叶えるだとか、眉唾物の話に興味はない。 【マスター】 間桐雁夜@Fate/Zero 【マスターとしての願い】 聖杯を手に入れ、桜ちゃんを救う 【weapon】 なし 【能力・技能】 優れた才能があったがこれまで魔術鍛錬を全くしていなかった為、寄生させた刻印虫による擬似的な魔術回路を用いる。 使い魔として与えられた"視蟲"などを用い、切り札は牛骨すら噛み砕く肉食虫"翅刃虫"の大群使役。 身体に宿した刻印虫が宿主の身体を蝕む為、頭髪は残さず白髪になり、肌は死人のような土気色に変色し、左半身は一度麻痺して感覚が遅れ、顔の左半分は硬直して左目は視力を失い、不整脈も日常茶飯事、固形物が喉を通らないためブドウ糖の点滴で賄う等、近代医学の見解からすれば既に生体として機能するのがおかしい有様を魔力で延命している状態。 魔術使用や魔力精製は蟲の活性化による肉体への負荷と破壊を意味し、魔術行使の際の肉体への負担は他の魔術師の比ではない。戦いの決着が着く前に体内の刻印虫に食い潰される可能性も充分にある、真の意味で"死の危険と隣り合わせ"の魔術師。 【人物背景】 魔術師の家に生まれながら、魔術を嫌って家を出奔した過去を持つ男。 然し自身が間桐の継承を拒んだ事により最愛の幼馴染の娘、桜が犠牲になった事を知り、彼女を救い出す為に自分の肉体を破壊する無茶をして聖杯戦争に名乗りを上げた。が、そもそも彼を魔術師に仕立てた臓硯にはまるで期待されておらず、その破滅は初めから決定的な物であった。 【方針】 全ての敵を殺す。
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Connor(コナー) Ratonhnhaké ton (1756-sconosciuto), chiamato anche Connor, fu un Assassino che lottò per gli ideali di libertà e di giustizia, combattendo per una causa che alla fine non lo ripagò. Connor era figlio di madre Kanien kehá ka, Kaniehtí io, e di padre Templare inglese, Haytham Kenway. ラドンハゲードン(1756-不明)、彼はコナーという名でも呼ばれたアサシンで、自由と正義の理想のために戦ったが、最終的にその大義が報われることは無かった。 コナーは、母にモホーク族(Kanien kehá:カニエンケハカ)のガジージーオ(ka, Kaniehtí io)、そして父にイギリスのテンプル騎士へイザム・ケンウェイを持つ。 Il loro villaggio bruciò durante la guerra dei Sette Anni, uccidendo la madre quando lui era ancora un bambino. 彼は子供だった七年戦争時代に、村を焼き払われ母親を殺された。 La profonda rabbia di Connor venne "incanalata", quando un Frutto dell Eden gli concesse una visione. Gli fu detto di cercare il simbolo degli Assassini, che trovò nella casa di Achilles, un ex Mentore. エデンの秘宝は、コナーの深い怒りを汲み、「魂の旅」を通して彼にあるビジョンを見せる。 コナーはアサシンのシンボルを探せとのお告げを受け、後に導師となる人物であるアキレスの家にたどり着く。 Achilles a malincuore addestrò il giovane prima di spingerlo ad affrontare i Templari, che hanno puntavano al controllo del Nord America e per poter sfruttare l utilizzo di tecnologia antica. In quanto Assassino, Connor aiutatò le truppe coloniali ed in particolare George Washington, la figura di spicco della crescente Rivoluzione Americana. アキレスは不本意ながらも、北アメリカに近づくテンプル騎士団の影響力を受け、この若者に古から続く暗殺の技術を授ける。 成長しアサシンとなったコナーは、アメリカの革命の名の下、植民地軍を指揮するジョージ・ワシントンを支援した。 Ammirava il loro desiderio di libertà e la loro opposizione agli scopi Templari, ma scoprì che stavano distruggendo il suo popolo. Nonostante i suoi dubbi, prestò il suo aiuto in eventi come il Boston Tea Party e la battaglia di Chesapeake. Assassinò diversi leader Templari, tra cui suo padre. 自由に対する渇望とテンプル騎士への反抗に共感していたワシントンだが、コナーは自身の家族を殺した張本人がワシントンだったことを知る。 ワシントンの思想に疑いを持ったコナーだったが、ボストン茶会事件やチェサピークの戦いなど多くの歴史的事件で彼を支援。そして自身の父親を含む多くのテンプル騎士の指導者を暗殺した。 Alla fine, Connor sapeva di aver fatto si la Rivoluzione fosse un successo, ma che il suo popolo non avrebbe goduto dei suoi benefici. コナーは革命を成功に導いたが、結局のところ彼の同族たちがその恩恵を受けることはなかった。 ◆ ◆ ◆ ▲Page Top
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APO/S53-068 カード名:“凶行”黒のアサシン カテゴリ:キャラ 色:青 レベル:1 コスト:0 トリガー:0 パワー:2500 ソウル:1 特徴:《サーヴァント》・《霧》 【自】 このカードが手札から舞台に置かれた時、あなたは自分の山札を上から1枚見て、山札の上か下に置く。 【自】 このカードがリバースした時、このカードのバトル相手のコストが0以下なら、あなたはそのキャラを山札の下に置いてよい。 R:うん! SR:でも、また魔術師が来てくれたみたいだよ レアリティ:R SR Fate/Apocrypha収録 CIPでのデッキトップチェック、コスト0以下相討ちを持つレベル1。 同じくレベル1の相討ち持ちである“玉座の間”赤のアサシンと比べると、コスト1のキャラを倒せない点で劣る。 一方で倒した相手を山札の下に送ってしまうのは凶悪。 手札アンコール・クロックアンコールを許さず除去できる上、1枚分の逆圧縮にも繋がる。
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アサシンの特徴として、コンボ攻撃が繰り出せる事が挙げられます。 しかし、そのコンボ攻撃は、ある一定の法則に従わなければ その性能を発揮できません。 ということで、アサシンのスキル使い方講座!! 例として、PvPテンプレにある メランドルファング(R/A)のスキルを用いて説明します。 セットされているスキルは↓コレ。(他はアサのスキルじゃないので割愛) 1:ジャグストライク 2:フォックスファング 3:オックスホーン 4:フォールスパイダー 5:ツイストファング 1つずつスキルを見ていきましょう。(ダガーマスタリー12の場合) 1:ジャグストライク リードアタック:攻撃が成功した場合、ターゲットした敵は8秒間「出血」状態になります。 スキルグラの右上に線が1本入っているのは、そのスキルがリードアタックであることを示します。 2:フォックスファング オフハンドアタック:このスキルは、リードアタックの次に使用します。このスキルはブロックや回避されることがなく、攻撃が成功した場合は18の追加ダメージを与えます。 スキルグラの右上に線が2本×に入っているのは、そのスキルがオフハンドアタックであることを示します。 スキルグラの左上に線が1本入っているのは、そのスキルをリードアタックの次に出さないとならないということを示します。 詳しい使い方については後述します。 3:オックスホーン デュアルアタック:オフハンドアタックの次に使用します。攻撃が成功した場合、27の追加ダメージを与えます。また、攻撃した敵が味方に隣接していない場合、その敵は転倒します。 スキルグラの右上に※印が入っているのは、そのスキルがデュアルアタックであることを示します。 スキルグラの左上に線が2本×に入っているのは、そのスキルをオフハンドアタックの次に出さないとならないということを示します。 4:フォールスパイダー オフハンドアタック:転倒中の敵に対して使用します。攻撃が成功すると31の追加ダメージを与え、ターゲットした敵は17秒間「毒」状態になります。 このスキルは、オフハンドアタックですが、左上に線が何もありません。 つまり、リードアタックやデュアルアタックに続けて出さなければならないわけではないということです。 その代わり、転倒中の敵に対して使用しなければ、効果がありません。 5:ツイストファング デュアルアタック:オフハンドアタックの次に使用します。攻撃が成功した場合、18の追加ダメージを与え、その敵は17秒間、「出血」および「重症」状態になります。 スキルグラの右上に※印が入っているのは、そのスキルがデュアルアタックであることを示します。 スキルグラの左上に線が2本×に入っているのは、そのスキルをオフハンドアタックの次に出さないとならないということを示します。 以上が、スキルの説明です。 次に、具体的な使い方についてです。 まず、相手の生命バーの以下の状態を「通常状態」と呼ぶ事にします。 この状態の敵に対して、スキルグラの左上に何らかの線が入っているスキル(2・3・5がそれにあたる)を発動させても、以下のように、 ミスになってしまいます。 つまり、スキルグラの左上に描かれている線に対応するスキルに続けて出さないと、意味がないということです。 ちなみに、ミスしてもエネルギーはしっかり消費します( A`) では、通常状態の相手に対して、リードアタックである1のジャグストライクをしてみます。 すると、以下の状態になります。 1の効果である出血を表す下矢印と、 その右にリードアタックが入っている事を示す線が1本入っていることがわかると思います。 この線は、続けてコンボや再びリードアタックを入れない限り、大体15秒弱で消えます。 また、ターゲットの敵を切り替えても消えてしまいます。 つまり、コンボ技を出す際は、一人の敵に集中している必要があるということです。 この状態が続いているうちに、2のフォックスファングをしてみます。 すると、以下の状態になります。 線が2本の×印になったことがわかります。 これは、現在相手に対してオフハンドアタックが入っているという事を示します。 この状態が続いているうちに、3のオックスホーンをしてみます。 すると、以下の状態になります。 線が※印になったことがわかります。 これは、現在相手に対してデュアルアタックが入っている事を示します。 これで3コンボの出来上がりです。 さらに転倒するので、その間に4のフォールスパイダーを入れると、このようになります。 また、1→2→5とコンボを決めると、このようになります。 補足として、リードアタックのスキルはいつでも有効です。 相手の状態をリードアタックに戻したい場合は、リードアタックのスキルをかましましょう。 以上、アサシンコンボの使い方でした。
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現在のステータス:茨木童子 現在のステータス:茨木童子 ┏━━━━━━━━━━━━━━━┓ ≪クラス≫:アサシン ┣━━━━━━━━━━━━━━━╋━━━━━━━━━┳━━━━━━━━━━━━━┓ 【真名】:茨木童子 【レベル】:60 【アライメント】:中立・悪 ┣━━━━━━┳━━━━━━┳━┻━━━┳━━━━━╋━━━━━━┳━━━━━━┫ 【筋】:30 【耐】:20 【敏】:50 【魔】:40 【運】:30 【宝】:40 ┣━━━━━━┻━━━━━━┻━━━━━┻━━━━━┻━━━━━━┻━━━━━━┫ __ / ` . - -. ´ ̄ 丶 / .,.イ \ ヽ { ,イ / / ヽ./ / / ヽ ../ . .ィェ=====彳. ; ハ ヽ. ; ヾ .、 /. l l l .i ハ { ヽ Nヾ .__ _/ .| l l八从ム i 八 ハ i |.==ニ>、 ..ムイ .l l 仍心、ヾ八 }ヾ、 .l l l.==、 , ; ゞ ツ .ィ斥ヤハ j人} 》 / 从 l , ゞツ .∧ .} .八 ヾ / / ; l、 r ‐., ,.イ \ .._____ . / / _人 l.\_`_ .イヽi \ \  ̄ .ヽ `ヽ \ .イ三三ミ、从 l..― rr―< \ `二ニニ=ー=― . 、 . . ̄ ̄\\ /三三三三三 ; l、 .イ==、ヽ ..`ー=ニ二 _ _ _ _ _ ) ヽ ヾ〈三三三三三三.人 l.. ノ)⌒`ヽ三三ミ! / ) __ ィ⌒ヽ 〉}/⌒ヽミミヽ三三∧ l...ん⌒) 〉三i三} / /  ̄ `ヽ ../ ̄ヽ{、 ├{!\ l}三ミ三/ .∧ V .し´ヽ ヽミ|ミム、 ___/__ / \ r‐〈ヽ、 ゝ、 ノ人 ヽノ、三∨三三..l .l.二 ノ ノ`ヾ.三三〉 / /´ ./ . ヽ、 ` ―`r-、 ̄__ \⌒ヽ<三三∨ } . r‐ 三三ミヽ∨// ̄ ̄. / i ゙ ―〈_ -‐< ____/\_> / l ミ|ミ三三三ミ|K< /; / l / .|l\/ __> ´ ∧ ヽ、 .〉 ノ/\三三三/ミ}三\. ; `ー=― - - 、 j .{ ..||/|lヽ/ /、 i} / ./ / ;;;;;;;;; ><ノ三三三ミ\.`ー=ニ _ 二 -っ ノ ..|| !|/ ―-< j丁弋 .l / . ⌒ ;;;;;|\三三三三ヽ、____. ノ / / ; ..||/⌒´ \l| | | . \ 八. | `ヽ三三三ム三三<ー ´ / / ┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫ 【スキル】 ○気配遮断:A 戦闘時、最初のラウンドに行われるステータスの比較において、敵のステータスに対し 常に「-10」点のペナルティ修正を与える。 完全に気配を絶てば、探知能力に優れたサーヴァントでも発見することは非常に難しい。 ただし自らが攻撃態勢に移ると気配遮断のランクは大きく落ちる。 ○妖術:B 使用ステータスに【魔】を選択した場合、比較を行う敵陣のステータスに 「-10点」のペナルティ修正を与える。 このスキルが使用された場合、MPが「2点」消費される。 変化の術など、様々な妖術を心得ている。 ○怪力:B 使用ステータスに【筋】を選択した場合、その数値に「+10」のボーナス修正を加える。 また【筋】を用いた比較に勝利した際、LPに与えるダメージに「+1点」する。 この効果は一度の戦闘中に「4回」まで使用できる。 一時的に筋力を増幅させる。魔物、魔獣のみが持つ攻撃特性。 ○戦闘続行:B 戦闘の開始時、自陣のLPの現在値と最大値に「+4」点のボーナス修正を加える。 瀕死の傷でも戦闘を可能とし、決定的な致命傷を受けない限り生き延びる。 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ ┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫ 【宝具】 ○羅城門の悪鬼 ランク:B 種別:対人宝具 風よりも早く動き、様々な姿に変化するばかりでなく片腕を落とされても平然とそれを 奪い返しに来た茨木童子の肉体そのもの。 その身体は強靭な生命力と種々様々な変化を行う魔力を秘めている。 変化を行える対象はほぼ万能であるが、あまりにアサシン自身の体積を無視した 変化は物理的に行う事ができない。 アサシンは自身を任意の姿に変化させる事ができる。 ラウンド開始時にMPを「1点」消費する事で、「◯気配遮断:A」の効果をそのラウンド中も 適用してステータスの比較を行う事ができる。 またラウンドの終了時、任意の点数のMPを消費する事で、自陣のLPを「消費したMP点(最大5点)」 まで回復する事ができる。 自陣が「逃走判定」を行う際にMPを「2点」消費する事で、その成功率に対する補正に 「+このキャラクターの【宝】%」する事ができる。 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ ┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫ 酒呑童子の一の腹心。大江山の副首領。越後の国の茨木童子。酒呑童子と同じく生粋の鬼。 大江山一の頭脳派でもある(周囲に脳筋しかいない的な意味で)。 プロローグに引き続いての開幕登場。主催者を一発ぶん殴りにやって来た。 以前は固有結界持ちのキャスタークラスだったが、今作はアサシンクラス。 「風や塵にすら変化出来るので全く見付からない」と謳われた変身技能を引っ提げて参戦。 女好きで男嫌い。そして侍嫌い。 ちなみにTS枠と見せ掛けて、元々女性説持ちだったりする。 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
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外部から光が侵入せず、光源は内部に施されている照明のみ。 明るいとは言い難いクラブ崩れ廃墟で女を侍らかせる白い髪の男が一人。 瞳は赤に染まっており、それは疲れによる充血ではなく生まれながらにしての症状。 アルビノ――世間一般にその記号を付けられた男の周りには酒が種類問わずに転がっている。 瓶から升まで国境を問わず、一部には中身がまだ残っているにも関わらず捨てられていると同義の扱いだ。 男が座っているソファーには一切溢れていない辺り、自分が良ければ全て良し、と生きてきた存在なのだろう。 酒と女。 二つの臭いが入り混じり、日の出を浴びるような世界に相応しくない夜の臭気が辺りを包む。 だが、足りない。 この空間を構成する香りの中で、重要な要素が抜けている。 酒と女はその通りだ。まさしくこの二つがこの部屋を表す材料となる。 その中で――表の世界に似合わない吐溜の汚れだ。 血、血、血。 立ち去ることを躊躇しない程の血。 鉄の臭いを超越した肉が削ぎ落ち、腐り溶けたような目を背けたい現実の香り。 撒き散っている液体は酒だけではない。 寧ろ割合は低く、構成の多くが赤と黒を混ぜ合わせたキャンパスに不必要な色。 公園の砂場に穴を掘り、水を注いで創り上げた小さな池に相当する程度の量はあるだろう。 「あぁ空になっちまった」 空いたグラスを勢いで机に叩き付けるように男は置いた。間髪入れずに足も下ろしている。 口が曲がっても上品とは言えない態度で退屈そうに天を見上げる。あるのは間接照明だけ。 「酒の味は進歩してるようだがなぁ……なんだよ現代ってのは、クソもつまらねえじゃねえか」 この世に対し偉そうな口調で不満を零すと、何かが落下し男の足元に転がる。 首だ。 男が侍らかしていた女は既に死人と化していた。ならば男は殺人鬼なのか。一概には言えない。 このアルビノは狂っている。しかし本人に言えば嫌われそうだが己の中に美学を持っている人種に分類される。 何が起きたかは不明だが、女が男の逆鱗に触れたか、男が退屈しのぎに殺してしまったのだろう。 踵で頭部を蹴り飛ばし、少しの間が経過した後に破裂音が響く。 空気を斬り裂くような鋭い音と、一度聞いたら耳から離れないような鈍い潰れた音と共に。 更に空間が血液の泥と化した中で、グラスの中で氷が回る音が聞こえてくる。 カウンターに座り込んでいる――これも白髪の男だが、笑みを浮べながらグラスを回している。 「あ? 何してんだよ槇島」 アルビノの男は首だけを後ろに倒し込みだらしない体制でカウンターに居る男に声を飛ばす。 視界には先程蹴り飛ばした首が映るも、関係無いと謂わんばかりに全く触れていない。 「この女は聖杯戦争に招かれていない人間だ。彼女が消えたところで物語はどうなると思う?」 「知るかンなこと。死んじまえばそれで終わっちまうのが人間だろ」 槙島と呼ばれた男の言葉を雑に処理した男は視線を止め、首を戻し机の上にある生きた酒を掴む。 グラス並々に注ぎ、途中に氷が無いことに気付くも面倒になってしまい口に含んでいた。 「『私は血で書かれた本のみ信じる』ニーチェの言葉だがいいと思わないか」 「――そうだな」 酒を平らげたアルビノの男が槙島の言葉に返しを行うべくグラスを置く。もう空になっているそのグラスには光が反射している。 「血が流れてんなら結構じゃねか。少なくともクソの蓄えにもならねえ会議で掲げられた理想よりは信じれる」 「聖杯と呼ばれる唯一無二の願望器を巡り一人だけが願いを叶える物語だ。 これを書き上げるには大量の血液――多くの人間が必要となるだろうね。今君が殺した女の血も聖杯戦争を彩る大切な血肉となる――この物語に関しては」 この声を聞いているのはアルビノの男一人だ。空間に存在する生命は二人だけである。 しかし槙島の言葉は大衆向け……多くの人間を引き込むような謎の魅力がある。 話している内容は一般に公開出来るような内容ではないが、群衆を煽る革命家のように言葉に輝きを持たしている。 最もこの槙島と呼ばれる男が革命家を気取るような人間では無いのだが。 「何が聖杯戦争だ、何が物語だよ。世の中に英雄や救世主と呼ばれる人間ってのはいるだろ? そいつらは主役だ。 けどよ、テメェの人生に英雄が現れても所詮は英雄止まりの他人だろ。主役はテメェが貼るモンだ。 今死んだ女がNPCだろうが関係無え。此処でこいつの生命が潰れりゃ誰も続きを書くことをしねえし望まねえ、それだけだ」 「そうだね――じゃあ僕が抜けた世界ではどうなっているか」 「それでも廻るのが世界ってモンだろ」 「その通りだ……あぁ僕はこの世界で何をしようか」 白い髪を持った男達の会話は繋がっていないようなやり取りだが、続いているらしい。 世界の歯車と軸の話をする中で、主題は槙島が居た世界の話になったようだがアルビノの男はまたも雑に終わらせる。 槙島が言葉を流すこの世界――聖杯戦争での目的と行動。 願いを叶える権利など空想上の出来事でしかない幻想が現実となった空間で彼は何をするのか。 答えは出ているのかもしれない。 血で物語が書き綴られるのならば、血を流すことが登場人物の役目である。 明確なソレは存在しないかもしれないが、槙島は世界の裏で聖杯に辿り着く男に成り得るかもしれない。 「選ばれた人間もそうでない人間もこの世界で生きていることには変わらない……どんな物語を彩るだろうね。 君はどう思う――アサシン」 アサシン。 そう呼ばれたアルビノの男は「あ?」と言葉を漏らすもそれ以上は不満を告げなかった。 「俺は俺がやりたいように動くぜ槙島ァ。大体勝手に決められた他人がご主人様なんて気に食わねえ。俺はあの人の牙以外になるつもりは無えぞ」 「構わないさアサシン――こんな機会は二度と無い。なら聖杯の真意について触れようじゃないか」 夜の主役は吸血鬼と犯罪者。 聖杯戦争の主役は解らない。彼らの物語はこの先から綴られないかもしれない。 ただ一つ言えるとすれば。 その結末に血は必要である。 【マスター】 槙島聖護@PSYCHO-PASS 【マスターとしての願い】 不明。 【weapon】 剃刀 【能力・技能】 格闘術を極めており、華奢な見た目からは想像出来ない程近接戦闘に長けている。 銃火器の心得も得ており、単純な白兵戦ならあば人間相手には圧倒出来る能力の持ち主。 彼の纏う空気と操る言葉は人々の心に入り込み掌握するカリスマ性をも持ちえている。 また免罪体質の持ち主であるが、聖杯戦争で活かされるかどうかは未知数である。 【人物背景】 シビュラシステムの誕生以降、最悪の犯罪者と呼ばれる。 くだらないシステムに決められた世界に意義を唱え、人間としての意味を求めて行動していた。 一説によれば彼の最期は嗤っていた。 【方針】 聖杯に縋る願いは不明である。 まずは表舞台に姿を表さないで裏の世界に徹し情報を集めるだろう。 NPCにも興味を抱いているため、最終的には大掛かりな行動を取るかもしれない。 【クラス】 アサシン 【真名】 ヴィルヘルム・エーレンブルク@Dies irae -Acta est Fabula- 【パラメーター】 筋力B 耐久B 敏捷C 魔力C+ 幸運E- 宝具A+ 【属性】 混沌・悪 【クラススキル】 気配遮断:D サーヴァントとしての気配を断つ。隠密行動に適している。 ただし、自らが攻撃態勢に移ると気配遮断は解ける。 【保有スキル】 エイヴィヒカイト:A 人の魂を糧に強大な力を得る超人錬成法をその身に施した存在。 本来ならばこの存在を殺せるのは聖遺物の攻撃のみだが聖杯戦争では宝具となっており、彼を殺すには宝具の一撃が必要となる。 また、喰った魂の数だけ命の再生能力があるが制限されており、魔力消費を伴う超再生としてスキルに反映された。 A段階に達すると己の渇望で世界を創造する域となる。 直感:B つねに自身にとって最適な展開を“感じ取る”能力。 視覚・聴覚に干渉する妨害を半減させる。 戦闘続行:A 呪い:A ある人物から彼の二つ名である魔名と共に送られたもの。 その内容は「望んだ相手を取り逃がす」 本人が望めば望むほど、その相手は横槍などにより理不尽に奪われていく。 【宝具】 『闇の賜物(クリフォト・バチカル)』 ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1~30 最大捕捉:1 エイヴィヒカイトの第二位階「形成」に届いた者にしか具現化出来ない物 彼の其れは『串刺公(カズィクル・ベイ)』の異名を持つワラキア領主、ヴラド三世の結晶化した血液が素体。 能力は 「血液にも似た赤黒い色の杭を全身から発生させる」。 この杭は、突き刺した対象の魂や血を吸収し、所有者に還元する効力を持っている。 飛び道具、武具、空中での移動など様々な用途に応用出来る。 この聖遺物との親和性は他のエイヴィヒカイトとは群を抜いている。 クリフォトとはカバラの『生命の樹』と対をなす『邪悪の樹』の名であり、バチカルはその最下層を示す。 『死森の薔薇騎士(ローゼンカヴァリエ・シュヴァルツヴァルド)』 ランク:A 種別:対軍宝具 レンジ:1~99 最大捕捉:1000 エイヴィヒカイトの第三位階、自身の渇望の具現たる「創造」能力。 元となった渇望は 「夜に無敵となる吸血鬼になりたい 」 。発現した能力は「術者を吸血鬼に変えて、周囲の空間を夜へと染め上げ、効果範囲内に存在する人間から力を吸い取る」こと。 渇望通り、吸血鬼と化して人間から精気を吸い上げる能力である。 発動すると周囲一帯が固有結界に似た空間に取り込まれ、例え昼であっても強制的に夜へと変わる。もっとも、夜時間帯に重ねがけした方が効力は格段に上がる。 この「夜」に居る人間は全て例外なく生命力をはじめとした力を吸い取られ、奪われた力の分、 この空間の主である吸い尽くした力を己の糧とし、それを抜いても己のを強化する。また、夜空には紅い月が浮かび上がる。 相手を弱体化させ己を強化し続ける卑怯な理だが弱点として【吸血鬼の弱点ソノモノが彼の弱点となる】 ※まとめると月が紅い間は周囲の力(生命から魔力まで何でも)吸い取って自分の力にします。 当然魔力を吸っているため枯渇の心配は無いし、自前なのでマスターの助けも要りません。 デメリットはアサシンの癖に発動したら隠密何て到底無理なこと。極限に目立ちます。 また、吸血鬼の弱点がアサシンの弱点となるので最悪「誰からでも」殺されてしまう心配があることです。 『???』 ランク:? 種別:? レンジ:? 最大捕捉:? 彼の中に眠るナニカ。性別、数――総てが不明。 【人物背景】 聖槍十三騎士団第四位、ヴィルヘルム・エーレンブルグ=カズィクル・ベイ。白髪白面のアルビノの男。 その体は日光を始めとした光全般に弱く昼はほとんど出歩かないが、逆に夜の間には感覚が鋭敏になるという吸血鬼じみた体質を持ち、 それを自らのアイデンティティとしている。戦闘狂であり彼の歩んできた道には屍の山が築かれている。 元は貧困街の出身であり父と姉の近親相姦で生まれ、「自分のちが汚れているならば取り替えればいい」と感じる。 その後彼は親を殺しこれまでの人生とは別に暴力に溢れた生活を送るようになる。 其処で遭遇したのが白き狂犬、其処で出会ったのが黄金の獣。そして彼の人生は世界の因子に成り得る奇妙な物語に巻き込まれる。 なお、仲間意識は強く同じ騎士団の仲間を家族のように思っている。 【願い】 邪魔な奴は殺して樂しんで城へ帰還する。
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人が人を殺す事は、悪だ。 現代においてそれはもはや常識である。 地球上でほぼ全てといっていい数の人間が、当たり前の知識として知っている。 人の死は何も生まない。 誰かを傷つける行為。悲しませ、苦しませ、痛めつけ、最終的に何もかも無くさせる手段。 これらは許されぬ事。罪深き事。公にされ、裁かれるべき業である。 何故。何故、人を殺す事は悪とされるのか。 テレビのニュースで。新聞の見出しで。途切れなく多くの殺人が報道される。 映し出される、涙に暮れた遺族。被害者の名を悲嘆げに叫ぶ友人。 内容が残酷であるほど人々は憤り、非難の声は集中する。 何故か。簡単な話だ。 それは"善人を殺したから"だ。 多くの人に愛され、親しまれて暮らす一般人。 そんな人が恨まれ、殺される道理など存在しない。 存在しない道理によって殺される。それこそが悪だ。 道理なき殺人こそ悪の正体であり、裁かれなければならない犯罪なのだ。 人が文明を築いて数千年。 21世紀に入った現代社会で、人が人を殺す事を許されている例は三つのみとなった。 それは戦争による犠牲。 人類の歴史と常に共にあって、今も何処かで流れ続けている流血。 悪と定め、起こしてならないと口を揃えて禁忌としているのに、戦争が止む日は未だない。 国の利益。民族の尊厳。個人の信念。 それらは正しい。どれも手にする権利がある、肯定されるべき概念だ。 だが世界の全てで、各々の意見を折り合わせるには人類は増えすぎた。 複数の正しさはかち合う。百人の幸福には等量の不幸が百人に降り注ぐ。 幸せを追い求めて、正しさを知りたくて、けれど取り分は予め決まっていて。 だから人は他人を悪とした。 心を殺さず戦場で生きるには、敵を人間(同胞)と思ってはいけない。 前線に立つ誰かは言う。「戦争で人が死ぬのは仕方がない」。 皮肉ではなく本心から、誰かはそう思った。 それは法律による処刑。 人を裁く役目を人でも王でもないシステムに委ねる。 現代で法治国家と呼ばれる構造。 犯罪者は警察に捕まり、裁判にかけられ、罪に応じた罪を課せられる。 世界中の国家で、それは法によって定められている。 そして余りにも罪が重い者が出れば、法は殺人を許可する。 生きている事で償いにならない。更生の余地、反省の色が見られない者に、死刑判決を下す。 法律の規定に準じ、人を殺す行為を公的に認められるのだ。 あるいは、法律のひとつである正当防衛。緊急避難。 人は自身と他者を襲う危機から身を守る権利があり、それによって襲った人間を殺したとしても重い罪には問われない。 他者を犠牲にして自分の身を助けても、状況を加味すれば許されるカルネアデスの板。 法は状況によっては、人を死なせる事を咎めない。 私情で揺れ動かず、擦り減る心もない理想の支配。 この瞬間、人は背負ってきた罪のひとつから解放されたのだ。 それは、あるいは―――― まだ人の文明が発展途上の頃。そこでは当然のように認知されていた存在。 健康管理の不届きの病死。雷や地震の自然現象の事故死。 歴史に現れる暴君の死の原因に、高次元の意思を見出す試み。 幾つかの偶然が重なり、因果が絡まり、それが起きた時。 人は喜びを以て迎え、その行いを責めるどころか称賛する。 天の裁きと呼ばれる、絶対の死の運命を人は易々と受け入れていた。 先の時代の者が見れば、無知な様を滑稽と笑うだろう。 だが現代の中ですらそれを信じる者はいる。 見る者も感じる者もいないのに、いると伝えられるだけで"在る"もの。 神と呼ばれる、法を超えた域による殺人だ。 ◇ ◆ 『……昨夜未明、新都の宝石店で強盗殺人の容疑で捜査中の◯◯容疑者が路地裏で遺体の状態で発見されました。 遺体は首を切断されており、鋭利な刃物で寸断されたとされ……』 自宅で家族一緒に朝食を取る最中には不釣合いなニュース。 父は何かの使命感を秘めた目でニュースの文面を見据え、母はそれを心配そうに見つめる。 だが息子である夜神月(ライト)はそれを気にした風もなく聞き流しながらトーストを口に含んだ。 『見ての通り、仕留めた』 『ああ、ご苦労だった、アサシン』 家族の誰にも聞こえない男の声に、やはり彼の中でしか聞こえない領域で応える月。 念話という、契約したサーヴァントと精神対話を可とするスキル。 他者に映らない相手との付き合いは心得ている月にとって、不自然さを見せることのない習得は容易なものであった。 『暫くは情報収集に努めよう。本格的に始まれば派手に騒ぐ連中も出てくるだろう。自分で手に入れたものじゃない力で舞い上がった奴なんてそんなもんだ。 そうして絞り込んだ相手が孤立したところで、君をぶつける』 『了解した。お前が特定し、俺が裁く。理想的な役割分担だ』 そうして秘めやかな会議が行われる中、画面には被害者の過去の犯罪歴が挙げられ男の凶悪さを説明している。 現代ではそうお目にかかれない怪死に住民は困惑こそするが、同時に誰もが思っているだろう。 たとえ口に出すのを憚れるとしても。犯罪者といえど殺人は罪であると、公然の知識を弁えていても。 望んでいる者がいる。往来をはばかりなく歩く罪人の死を。 そしてこう呟くのだ。裁きが下った、因果応報だ、と。 『召喚に応じた以上、俺の用途は全てお前の自由だ。道具として存分に使え』 『分かってる。お前が僕のサーヴァントなのは一番の幸運だよ』 幸いにして自分のサーヴァントは予想を超えて従順だ。英霊というにはリュークのような一筋縄ではいかない人格と思いきや、このサーヴァントは遥かに従順であった。 だがそれも、サーヴァントの真名を知る月にとってみれば違和感ではない。 なにせ自分が契約した英霊は戦場での勇猛果敢で名を馳せたのでも、人類の発展に貢献する偉業を為したのでもない。 『ただ、人を殺し続けた』。 戦でも功利でも恐怖でもなく淡々とそれを続けてきただけでしかないのだから。 人魂を思わせる蒼の髪。眉目秀麗ながら冷血冷淡の極みにある相貌。 纏う黒服はかの悪名高きナチスドイツの制服。その上にはさらに薄い黒衣を羽織っている。 形こそ人の姿をしているが―――その存在感は月の知る『死神』と全く相違のない、死の具現そのものだ。 ―――異世界に連れてこられて契約するのがまた死神とはな。つくづく縁があるよ、オマエたちとは 名前を書いた人間は死ぬ―――死神が持つノート、デスノート。 捕らえられてない凶悪犯。人の手を超えた道具で罪人に死の裁きを。 偶然によって手に入れた月はノートに名を書き連ねた。私欲ではない、余にはびこる犯罪者を一掃して善人だけが生きられる世界、真の理想郷を生み出す使命によってだ。 それがキラ―――名も顔も知れぬ救世主に人々が名付けた月のもう一つの真名である。 そう、月には蔓延る全悪を消し新世界を作る崇高な目的がある。 こんな見知らぬ場所で殺し合いに興じる暇など本来なら間違ってもない。 表向きキラ対策班に加わり、指揮を執る探偵『L』を出し抜く心算を図らなければならないのだ。 それがいったいどうして、聖杯戦争などという儀式に巻き込まれてしまったのか。見当もつかない。 妹が辛気臭いニュースを嫌がってチャンネルを変える。画面では犬が飼い主につられながら地方の住人にもみくちゃにされていた。 ―――アサシンの能力は格別高くない。だが宝具は条件さえ満たせば一撃必殺だ。大概のサーヴァントは嵌まるだろうが戦闘で遅れを取る可能性も鑑みるとできればマスターがいい。 既に罪人である者。この街で犯罪を重ねてる者。ここでも僕の父は警察だ。パソコンから情報も引き出せる。あとは…… 手にした『道具』の威力を月は実体験として確かめ、計算する。 サーヴァント。宝具。人類史に名を残した伝説の英霊。今も自分の背後にいる暗殺者の英霊のスペックは把握しておかなくてはならない。 殺し合いなどに巻き込まれたのは甚だ不本意だ。加えて、他の犯罪者のような相手と一括りにされている状況にも納得いかない。 だが……その『優勝賞品』には興味が湧いた。 聖杯。救世主の血を受けたとされる杯。あらゆる奇跡を起こし、世界の傷を癒やすとされる聖遺物だ。 世界中の人間が知っている神の宝物。新たなる神となる月が手にするには、見事に嵌まるシンボルだろう。 宗教家達を一気にキラ派へ傾倒させる材料にもなるかもしれない。いずれにせよ新世界創造の助けに大いに役立ってくれるには違いない。 なし崩しとはいえ参加する以上、身に入る旨味と使い道を把握しくのは当然といえた。 自分は必ず勝ち残らなければならない。 生きて還りキラの活動を継続するのは勿論、手に入る聖杯とマスターの存在を危惧する故だ。 なにせ万能の願望器だ。謳い文句がどこまで真実かはまだ疑念があるが、英霊召喚という実績がある以上、効力があるのは確かなのだろう。 少なくとも、強力無比な力にものを言わせ、欲するものを好きに奪い、蹂躙してのけられる程度の力は。 この街に集まってるマスターの大半はそうした手合いだろう。法を忘れ自分の欲望を自制せず、他者に暴力を振るい犯罪を重ねる…… まさに月が忌み嫌う悪(クズ)、キラとしてこれまで裁いてきた死すべき犯罪者と大差ない。 そんな悪に聖杯が渡ればどうなるかなど馬鹿でも分かる。自分の世界に被害が回ってくる可能性は決して否定しきれないのだ。 禁忌の果実という誘惑に耐え、聖杯を所有し正しく使えるマスター……そんな人物はこの自分以外にはいない。 「それじゃあ父さん母さん、行ってくるよ」 身支度を整えて一足先に外へ出る。向かうのは通っている新都の大学だ。 アサシンに言った通り暫くは市井に溶け込み情報を集める。キラとして動いた頃と変化はない。 サーヴァントという必殺の武器を手に、殺すべき相手の所在を突き止める知恵比べ。強いて変化があるなら敵にも同じ武器が与えられてる点。 ―――僕は負けない。用心を重ね今まで通りやれば、順当に勝ち残れる自信はある…… 天から落とした聖物は、新たな神の手元に置かれるべきだ。 新世界に君臨する新たな野望を燃え上がらせながら、月は今後に備えた戦略を練り出していた。 ◇ ◆ 月のない夜。 街の外灯も届かない路地の裏で、一人の男が立っていた。 黒き装束に蒼髪。抜かれた真剣のような、そこにいるだけで周囲の気温が下がっていく威圧感。 生ける者の気配がなく、双眼の視線は絶対の零度に凍えている。 これはこの世のものではない。これは世界にいてはいけない。 英霊の残響。神秘の絶地より来たる境界記録帯(ゴーストライナー)。 サーヴァントという、冬木という街に巣食う無数の化外の一つに他ならない。 「…………」 男の前にはひとつの死体がある。 倒れている全身。泣き別れにされた頭部の瞳は恐怖に見開かれたまま固まっている。 恐怖で固まった犯罪者(おとこ)は、痛みを感じる間もなく命を刈られていた。 手には血に濡れたばかりの刃が添えられている。 刀というより鎌に近い形状。死神が掲げるには相応しい象徴。 実態は、ギロチンだ。罪人の首を落とす断頭台は、男の右の肘から直接生えていた。 「死体が臭うな」 すん、と男は鼻を鳴らす。 視線は自身が今殺した眼前の死体に向いてない。 虚空を見上げ、此処にはいない相手に言葉を投げかけていた。 「墓から戻って屑籠を漁り何になる、死人共が。それは矛盾であり、幽世の穢れだ。現世に持ち込むな」 殺人に柳眉を動かさず、道具として生きるのに何一つ不満のない男が。 侮蔑に満ちた声を漏らしていた。 殺意を孕んだ宣言を下していた。 『処刑人』には不要な、感情という炎を湛えさせていた。 男は殺した。無数の人間を。戦争犯罪者を。 罪に関わらず、善悪に揺れる事なく、処刑の道具として完全に在り続けた。 取り零さず精確に計測したその数は、歴史に打たれるべき事実と化した。 称賛にも悪評にも男は動じない。蔑まされ続けた晩年すらも男にとっては涼風のような時間だった。 男に感情などというものがあるなど周囲の誰もが思いもしなかった。 同じ一族である家族すらも露とも思わず、本人すらそれを考えた事もなかった。 この、瞬間までは。 「俺達には既に命の輝きはない。これ以上生者の世界を汚す前に、再び終わりをくれてやる」 聖杯戦争を男は憎む。それは死者を蘇らせる悪辣なヴァルハラであるからだ。 サーヴァントを男は殺す。死者の生を認めず、全てを土に還す為に。 「この、ヨハン・ライヒハートの死(な)を思い出せ」 世界で最も人を殺した処刑人は、死神として舞い戻ったのだ。 【クラス】 アサシン 【真名】 ヨハン・ライヒハート 【出展】 史実(20世紀・ドイツ) 【性別】 男性 【身長・体重】 176cm・63kg 【属性】 中立・中庸 【ステータス】 筋力D 耐久D 敏捷B+ 魔力E 幸運C 宝具B 【クラス別スキル】 気配遮断:E- 処刑とは秘されて行われるべきではない。公的に執行されるべきものである。 このランクだと実質機能していないに等しい。 【固有スキル】 白日の断頭:A 攻撃、暗殺は防げても決定された処刑は逃げようがない。 ヨハンを見た者に意思ST判定を行い、失敗したら数ターン行動不能になる「恐怖」のバッドステータスが付く。 死刑執行人という、民衆にとっての恐怖の象徴がスキルとなったもの。 標的を逃がさず殺すという点のみでいえば、天性のアサシンともいえる。 処刑人:A+++ 悪を以て悪を断つ、究極の裁断行為。 属性、悪に対するダメージが向上する。 また、そのサーヴァントの行為が悪と見なされた場合も対象となる。 ここまでくると、もはや本人が生きる処刑装置そのもの。 人間観察:C- 人々を観察し、理解する技術。 ヨハンの場合、"その者にどれだけの罪状があるか"に特化している。 その分析はむしろコンピューター的な思考に近い。 【宝具】 『死は慈悲の幕引きなり(グナーデン・シュトース)』 ランク:B+ 種別:対人宝具 レンジ:1~20 最大捕捉:1人 より速く、多く、そして確実に、痛み無く処刑することを求められたヨハンとライヒハート家、 ひいては全ての処刑人の精神が宝具と化したもの。 逃げられず、防ぎ切れず、免れようのない手段として当然の帰結――――光のギロチンによる斬首法。 最大の特徴は真名解放から完了までのタイムラグの短さ。発動すれば光の速さでギロチンが対象の首に走り、瞬く間に切断する。 魔力や運命に依らない、速さと鋭利さ故に回避も防御も不可能という単純な理屈。 また対象の罪状の重さで魔力消費が減少するという特性を持ち、 極刑級になれば極めて低魔力で済み、連続発動も可能。 あくまで最大補足は1人だが、目の前に100人の死刑囚がいるとして、 全員の首を飛ばすのに"1人1人順番に殺して"も理論上は10秒とかからない。 基本的には極刑の相手にのみ使用する。 『処刑刃(トーデス・シュトラーフェ・マイスター)』 ランク:C 種別:対人(自身)宝具 レンジ:- 最大捕捉:1人 自らの意思を殺し、処刑を行使する装置として生きると定めたヨハンの精神が宝具と化したもの。 ヨハンの肉体、服飾は世に知られている全ての処刑道具を再現できる。 無数の暗器を仕込んだアサシンにも見れるが、本人にそうした用途の考慮は一切ない。 【Weapon】 『処刑刃』による処刑道具。 手はギロチンでベルトは首吊りの紐、抱擁は鉄の処女(アイアンメイデン)である。 【人物背景】 ドイツの死刑執行人の家系ライヒハート家の8代目。 史上最も多くの処刑を行った男。 その数3165人。第2位のシャルル=アンリ・サンソンの500人以上である。 これだけ多くの執行を重ねたのも、フランス革命の最中で処刑人を務めたサンソン同様、 第二次世界大戦中のナチスドイツが席巻した時代に居合わせたことが大きい。 大戦に入り死刑囚の数は爆発的に増加。死刑執行人も大量増員された。 そんな多忙の中でもヨハンは執行手順を厳格に守り、1人ずつギロチンで首を落としていった。 敗戦後ナチ党員だったため逮捕されるが、「死刑執行人としての義務を遂行したものである」として無罪。 その後連合国側から執行人として再雇用され逆にナチスの戦犯を処刑することになる。 敵も。味方も。無実であるはずだった者も。 ヨハンは眉を僅かにひそめもせず全てを平等に処刑した。 人はいずれ必ず死ぬもの。そして人は往々にして理不尽によって死する。 ならば善悪に差異はない。そも処刑人たる己に善悪を測る権利はない。 刃は情を持ってはならない。刃に心は許されない。重き方に傾く無謬の天秤たれ―――― それが死刑執行人として生まれた者の使命。 鉄の意志を以て、ヨハンは処刑人という刃の役目を完遂した。 数多の人を殺し続ける――――過去の処刑人が抱いた苦悩を一切抱かずに役割に殉じた執行者。 長年ライヒハート家が求めた理想の処刑人は、直後の死刑制度の廃止によってあっけなく姿を消した。 廃止後のヨハンは周囲に忌み嫌われ息子も自殺し、孤独な人生を歩んだという。 その時初めて、彼の顔に人間らしい安堵が生まれたことを誰も知らぬまま。 【特徴】 ナチスの黒服の上に黒衣を羽織っている、蒼髪の美青年。 しかし人間とは信じられない鉄血冷淡の雰囲気はまさに死神そのもの。 【サーヴァントとしての願い】 サーヴァントとしては極めて忠実。己を道具として使われるのをよしとし、マスターにもそうするよう求める。 善悪を基準としないヨハンだが、死に関してだけは一生に渡り重く見続けてきた。 死は世界にとって絶対の境界線。死者が地上に戻ることなどあってはならない。 それは道具に初めて芽生えた意思。彼をして許せないと奮起するに至った生への侮辱。 "全てのサーヴァント(死人)を殺すこと" この聖杯戦争で抱いた、唯一無二の願いである。 【マスター】 夜神月@DEATH NOTE 【能力・技能】 容姿端麗・頭脳明晰・スポーツ万能のなんでもござれ。 世界最高の探偵「L」とも渡り合える頭脳を持つ。 【人物背景】 全てに恵まれながら日々に退屈していたある日、 「名前を書きこんだ人間が死ぬノート」、デスノートを拾ったのを機に燻っていた世の中への不信が爆発。 悪が存在しない、善人だけの理想世界を目指し、新世界の神となる事を決意。 裁かれぬ犯罪者をノートに書きこみ続け、やがて救世主「キラ」として世界中で信仰される存在となる。 最初に興味本位でノートを使い人を殺した罪悪感に追い詰められ、デスノートの利用を「自分にしかできない」と転換する人間的な弱さがあったが、 次第に自分の正体を探る邪魔者を始末するのに躊躇しない、自分の正義を疑わない傲慢さが大きくなっていった。 【マスターとしての願い】 聖杯を悪用されないためにも自分が手に入れる。 その後は新世界創造の助けに使う。 【方針】 情報収集。マスターと思しき犯罪者にアサシンを当て確実に始末する。